トピックス

■会計

◆IFRS関連

【IFRS導入延期について】
自見庄三郎金融相は6月21日、国際会計基準(IFRS)の日本企業への強制適用を延期する考えを表明しました。
早ければ来年までに適用を最終決定するため、5~7年程度の準備期間を設ける方針で、
「実際の導入は早くても2017年から」と説明されています。


【IFRS 適用に関する検討について】
国際会計基準(IFRS)の導入に関して、2009年6月に企業会計審議会より「中間報告」が示され、2010年3月期以降任意適用が認められましたが、その後国内外で様々な状況変化が生じているため、EUによる同等性評価の進捗、東日本大震災の影響なども踏まえつつ、IFRS適用についての議論が6月中に開始されます。

一部で早ければ2015年3月期にもIFRSの強制適用が行われるのではないかと喧伝されていますが、「少なくとも2015年3月期についての強制適用は考えておらず、仮に強制適用する場合であってもその決定から5~7年程度の十分な準備期間の設定を行うこと、2016年3月期で使用終了とされている米国基準での開示は使用期限を撤廃し、引き続き使用可能とする」こととされています。

 

■税務

 【平成24年度税制改正大綱】

 

平成24年税制改正大綱(税制改正の原案となるもの)が、平成23年12月10日、政府によって閣議決定しました。

主な内容は以下の通りです。

 

1.個人所得税

(1) 高額所得者の給与所得控除に上限が設けられます

平成24年度税制改正大綱の目玉といわれるものです。

給与所得控除とは、サラリーマンなどの給与所得から一定の金額を差し引けるというものです。

現行では、収入が多くなれば給与所得控除の割合が減っていくもので1,000万円以上であれば(収入金額×5%+170万円)が給与所得控除として認められていました。

この点、大綱では給与等の収入金額が年間1,500 万円を超える場合の給与所得控除額について、245 万円の上限を設けるとしています。

(2)退職金の手取りが減少する可能性があります

現行では、『(収入金額-退職所得控除額)×1/2』に税率をかけた金額が、退職所得に係る所得税とされています。

大綱は、勤続年数が5年以下の役員などの退職金については税額を計算する際、上記(×1/2)を撤廃するとしています。

 

2.資産税

(1) 東日本大震災の被災者に関する復興支援措置

東日本大震災の被災者が、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税について、現行は1,000万円まで非課税となっておりますが、これが平成26年12月31日まで延長されます(省エネルギー性・耐震性を備えた良質な住宅用家屋の場合は1,500 万円まで非課税)。

(2)贈与税の非課税枠

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税についても、現行1,000万円まで非課税となっておりますが、省エネルギー性・耐震性を備えた良質な住宅用家屋の場合、以下の金額まで非課税とされます。

(a)平成24年中に住宅取得等資金の贈与を受けた者1,500万円

(b)平成25年中に住宅取得等資金の贈与を受けた者1,200万円

(c)平成26年中に住宅取得等資金の贈与を受けた者1,000万円

 

3.法人税

(1)研究開発税制

試験研究費の増加額に係る税額控除又は平均売上金額の10%を超える試験研究費に係る税額控除を選択適用できる制度の適用期限が2年延長されます(所得税についても同様です。)。

(2)中小企業税制

①交際費等の損金不算入制度について、その適用期限が2年延長されるとともに、中小法人に係る損金算入の特例の適用期限(交際費のうち年間600万円以下の部分については、10%を乗じた金額のみ損金不算入となる措置)が2年延長されます。

②中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額損金算入の特例に関する適用期限が2年延長されます(所得税についても同様です。)。

(3)特定資産の買換えについて

現行では、所有期間が10年を超える事業用の土地、建物等から、国内にある土地、建物、機械装置等への買換えを行った場合、資産譲渡益又は買換資産の取得価額の80%相当分については譲渡がなかったものとして、課税の繰延べを行うことができます。

この制度に関して、買換資産を以下に限定した上で、その適用期限が3年延長されます(所得税についても同様です。)。

『土地等の範囲を事務所等の一定の建築物等の敷地の用に供されているもののうちその面積が300㎡以上のもの』

 

4.消費税

消費税が非課税とされる介護サービスの範囲に、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、複合型サービス及び地域支援事業として要支援者等に対して行われる資産の譲渡等を加えられます。

 

【平成23年度税制改正】

平成23年度税制改正法案は、震災の影響で審議が止まっておりましたが、そのうちの一部が「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」として、622日に成立、630日に公布・施行されました。

 

1.法人税法

 

【グループ法人税制】

 

(1)内国法人が、完全支配関係がある他の内国法人で解散等が見込まれる株式等を有する場合、その株式等にかかる評価損は損金不算入となります。

当改正は、法人が公布の日以後に行う評価換え等について適用されます。

 

(2)完全支配関係を有する複数の大法人(資本金の額若しくは出資金の額が5億円以上の法人等をいいます。)に発行済株式の全てを保有されている法人については、中小企業者等の軽減税率(現行18%)を適用しないとともに、特定同族会社の特別税率の適用対象となります。

つまり、一つの大法人に支配されている場合のみならず、複数の完全支配関係にある大法人に全株式を保有されていれば、中小企業者等の軽減税率が適用されません。

当改正は、法人の平成2341日以後に開始する事業年度(公布の日前に終了する事業年度を除きます。)の所得に対する法人税について適用されます。

 

2.消費税法

 

 

(1)個人事業主又は法人の基準期間における課税売上高が1,000万円以下である場合であっても、前年の上半期課税売上高が1,000万円を超えた場合には、その課税期間において消費税は免税されません。

 

(2)課税期間の課税売上高が5億円を超える事業者には、課税売上割合が95%以上の場合に課税仕入れ等の税額の全額を仕入税額控除する制度が適用されません。

当改正は、平成2441日以後に開始する課税期間から適用されます。

 

3.租税特別措置法

 

【法人課税】

 

(1)医療用機器等の特別償却制度について、次のとおり見直しが行われ、適用期限が平成25331日まで延長されます。

 

①高度な医療の提供に資する医療用機器又は先進的な医療用機器に係る償却割合が100分の12(現行100分の14)に、医療の安全の確保に資する医療用機器に係る償却割合が100分の16(現行100分の20)にそれぞれ引き下げられます。

 

②対象となる医療用機器から新型インフルエンザに係る医療の提供を目的とする病床の確保に資する医療用機器が除外されます。

 

(2)高齢者向け優良賃貸住宅の割増償却制度について、対象となる住宅を高齢者の居住の安定確保に関する法律に規定するサービス付き高齢者向け住宅のうち一定のものとされるとともに、その割増率が100分の28(耐用年数が35年以上であるものについては、100分の40)とされた上で、その適用期限が平成25年3月31日まで延長されます。

 

(3)次に掲げる租税特別措置の適用期限が平成24331日まで延長されます。

 

中小企業者等の法人税率の特例(所得金額のうち年800万円以下の金額に対する法人税の軽減税率を18(本則税率:22)とするもの

 

試験研究を行った場合の特別税額控除の特例

 

(4)上記「1.法人税法」の改正に伴い、複数の完全支配関係がある大法人(資本金の額若しくは出資金の額が5億円以上の法人又は相互会社等をいいます。)に発行済株式等の全部を保有されている法人については、次の措置が適用されません。

 

中小企業等の貸倒引当金の特例における貸倒引当金の法定繰入率

 

交際費等の損金不算入制度における中小企業者に係る600万円の定額控除

 

中小企業者等以外の法人の欠損金の繰戻しによる還付の不適用措置における中小企業者等の適用除外